設立趣旨
2020年10月25日 基金設立にあたって 中野陽子
私が子どもたちのために何かできないかと思い立ったのは2019年です。それを具体的な形にしていただいて、ありがたいことと心より喜んでおります。
眼科医の夫と私は33年前、向島ニュータウンに眼科がないということで、公社から是非にと依頼を受けて開業いたしました。急なことで準備ができていなくて全部借金をしてのスタートでした。親に頼らず、親とは関係なく始めましたので、多額の借金でどうなるかと心配しましたが、夫は極めて慎重で用心深い人で、絶対失敗はできないと言って、高価な診療機械も中古を購入し、診察日以外、土日祝日全てアルバイトをし、なんとか乗り越えることができました。
開業医として落ち着いた頃、夫は京都眼科医会の理事に選ばれました。参加して早々、先輩の先生方の思惑とは異なり、新しいことを始めました。20年以上前でホームページもまだ出始めでしたが、患者さんの役に立つ、きっと喜ばれると言い、やり始めました。時間はかかりましたが、京都眼科医会としてのホームページができあがりました。
夫は亡くなりましたが、新しいこと、人のやらないことに興味を持つ人でしたので、子どもたちのために何かできないかという思い、そのためにお金を拠出することについて、きっと心から賛同してくれると思います。
しかし、思いを形にするのは大変で、今回関係者の多大なお力をいただきまして、おかげで財団設立までたどり着くことができました。関係者の方々には厚く御礼を申し上げます。
「勉強したくてもできない。」「諦めるしかない。」「望んではいけない。」
家庭の経済的事情で、苦しい思いをしている子どもたちがたくさんいると聞きます。
子どもは、夢を持ったり希望を持ったりしていいはずです。ところが、経済的な格差は、学力や進学に影響を与えるだけでなく、夢を持つことも、希望を持つことも禁止しているかのようなメッセージを与えかねません。
この財団ができることは小さいことかもしれませんが、子どもたちに夢や希望を持ってもいいと伝えることはできるのではないかと期待して、夫の名前と「夢」の文字を入れ、「中野豊こども夢財団」と名付けました。1人でも多くの子どもたちに夢と希望を持ってもらえるようになるよう、心から願っています。
皆様よろしくお願いいたします。
本事業につきましては、以下の方々にもご賛同いただいております。(五十音順)
- 岡崎祐司様(佛教大学教授)
- 岡田知弘様(京都橘大学教授・京都大学名誉教授)
- 岡野八代様(同志社大学教授)
- 岡本民夫様(同志社大学名誉教授)
- 定本ゆきこ様(精神科医)
- 芹澤出様(社会福祉法人宏量福祉会理事長)
- 田中明彦様(龍谷大学教授)
- 福富昌城様(花園大学教授)